アルダシール王国では、霊獣の卵を持って生まれてくる者を“霊獣使”と呼ぶ。
その中でも、王の守護者であり代弁者とされるのが、竜の霊獣使である左宰相のカーレーン家と、鳳凰の霊獣使である右宰相のスーレーン家だった。
そんなスーレーン家の第一子として生まれたミフルは、次期宰相としての期待を背負っていた。
しかし六歳の時、目覚めた霊獣が鳳凰ではなく蛮獣とされる獅子だったため、王から疎まれ国を追放されてしまう。
ミフルと霊獣のミシャカは砂漠での生活を余儀なくされたが、追放から二十年、突如宮殿に戻るよう王命が下る。
それを伝えにきたのが、幼馴染みであり現大宰相のイザークだった。
王家にもイザークにも不信感を抱くミフルは、宮殿行きを拒んだが『ミフルを戻さなければ国が滅びる』というお告げが下りたらしく、
さらに、イザークから「お前のことが好きだ」と熱い想いを告げられて…?