天涯孤独で身寄りのない梧桐ルカ。
十九歳のある日、ケメルマイデン王国という半竜半人が住む竜神国に召喚される。
第一王子のヴィルヘルムと彼の叔父に呼ばれたらしい。
なぜ自分が呼ばれたのか、この国で何をするべきなのか。
ヴィルヘルムに尋ねても何も教えてもらえない。
そんな時、ルカはヴィルヘルムの弟・アーベルと出会う。
アーベルは過去の誘拐事件をきっかけに口をきくことができなくなっていた。
そんな彼の面倒を見ることを申し出たルカは、王宮の手伝いをしながら日々を過ごす。
弟想いのヴィルヘルムとの距離も縮まり、王国内でようやく自分の居場所を得たルカ。
だが召喚された本当の理由は、実は竜神への生贄になるためで――?