行き先は、楽園。

酔って道端で抱き着いてしまい、世間体を気にする彼氏にフラれてしまった草一。
しかもその現場を同僚に見られていたらしく、自分が同性愛者だということが職場にバレてしまい、退職することになった。
男同士とか関係なく、俺は普通の恋がしたいだけなのに――
マイノリティの生き辛さに直面し、衝動的に屋上から飛び降りようとしたところを、とある青年に助けられる。
ベランダで煙草を吸っている時に向かいのマンションの屋上でよく見かけた美貌の青年だ。
「死ぬくらいなら、一緒に逃げて」
互いのことをケイ・ミドリという架空の名前で呼び合い、海の見えるコンドミニアムでしばらく暮らすことに。
本名も素性も知らない者同士で、二人きりの逃避行が始まって――!?