内容紹介
叔父の借金に猶予を請うため正体不明の高利貸しを訪ねた椎野貴之は、そこでかつての学友・子爵家当主の池澤周秋に再会する。家柄、完璧な容姿、穏やかな人柄で尊敬を集めていた池澤は、冷酷な高利貸しに変わり果てていた。きっかけは学生時代、頑なな性格の椎野が池澤の好意を疎んじ、わざと彼を傷つけたこと——。池澤は椎野を借金の形として美しい地下室に閉じ込め、おもちゃのように抱く。大金を返せない椎野は、自分を憎んでいる男に抱かれることを潔く受け入れるが、やがて学生時代に感じていた池澤への想いが甦り——。